東海大学医学部付属八王子病院 小児科 加藤政彦教授、平井康太先生にお話しをお聞きしました。
2020.09.24
八王子病院 小児科の特徴を教えてください。
医師会やクリニック、基幹病院との連携をとても大切にしています。できる限り敷居を低くし、地域の医療機関から何でも相談がしてもらえるような、非常に地域に密着している小児科です。 基本的なことですが「患者さんの訴えをよく聴いて、丁寧な診療を行う」をモットーとして運営してきました。当科は各分野の専門医が揃っていますので、特定の分野に限定されずに幅広い症例に対応できるようになっています。八王子・多摩エリアのかかりつけ医の先生方が “困った” という時に、まず初めに思い出していただき、すぐにご連絡頂ける体制作りをしています。 また、当科は2019年2月に東京都アレルギー疾患医療専門病院の指定を受けました。3名の日本アレルギー学会指導医を中心に、アレルギー疾患医療における地域の拠点病院として、より高度な医療を提供していきたいと考えています。
地域との関わり、連携が非常に強いですね。
そうですね。地域のかかりつけ医の先生方の信頼を得られるよう、スタッフ全員で現状の問題点・改善点を考え、行動してきました。その1つが、小児科直通のホットラインです。地域のかかりつけ医の先生方にはホットラインをお伝えし、交換を通さずに緊急当番の先生に直通で相談できるような体制をつくりました。また、八王子・多摩エリアには、医療的ケア児のケアに力を入れている施設もありますので、連携を密にとり、検査入院や小児の気管支鏡を用いた気管の管理、胃ろうの造設などにも対応しています。地域の先生方のニーズに応えることで、八王子・多摩エリアにおける小児医療の質向上につながればと考えています。
どのような雰囲気の医局ですか?
仲がよく、とても一体感のある医局です。教授との距離も近く、学生や若手医師も気さくに教授と話していますね。いい意味でこじんまりとしている医局なので、誰とでもコミュニケーションがとりやすいことが、チームワークの向上につながり、診療にもよい影響を与えています。スタッフ一人ひとりが当科の地域における役割、自分の役割をしっかり理解しており、全員が同じ方向を向いて診療に取り組んでいると思います。 小規模でありながらも、各分野の専門医・指導医が揃っていますから、診療で何か迷うことがあっても、その分野を得意とする先生方に相談しながら診療を進めることが可能です。若手の先生方も成長しやすい環境だと思います。
取り組んでいる臨床研究について教えてください。
リサーチマインドをもつ先生方が増えていますし、医学の発展のために臨床研究も積極的に行っていきたいという方針です。現在、取り組んでいるのは「咳に関する研究」、「食物アレルギーの研究」、「目と発達についての研究」です。「目と発達についての研究」は八王子医師会とコラボして進めている研究でして、大学内だけではなく地域と共同で進めていく面白さもあります。
働きやすさやキャリアの継続についてお聞かせください。
働きやすい職場づくりの一環として、時短勤務や日直・当直回数の軽減など、勤務体系の調整を行っています。ですが、一概に勤務時間を調整すれば働きやすくなる、というわけではないと考えています。先生方一人ひとりに対して、当科における存在意義をお伝えし、気持ちの面でもポジティブに働いていただくことがキャリアの継続につながるのではないかと思いますね。
加藤教授・平井先生、オンライン(ZOOM)でのインタビュー、ありがとうございました。
当院小児科は、常勤の小児科医10名に加えて、前期研修医1あるいは2名体制で、診療に当たっています。小児科医10名の内訳は、教授:2名、講師:1名、助教:4名、東京都派遣医師:1名、臨床助手:2名です。うち8名は、小児科学会専門医(3名は指導医)を取得しており、日本小児科学会の小児科専門医研修施設となっています。また、日本アレルギー学会の指導医が3名おり、アレルギー専門医教育研修施設にも認定されています。 診療は一般小児科診療に加え、豊富な臓器別専門外来を設け、急性期から慢性期まで対応しております。また、一般小児科診療では、「大学病院」という敷居を排除し、地域に密着した「かかりやすい小児科」を目指します。また、2019年2月より当院小児科は、東京都アレルギー疾患医療専門病院の指定を受けました。