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インタビュー:帝京大学医学部附属溝口病院 外科 小林 宏寿教授

帝京大学医学部附属溝口病院 外科 小林 宏寿教授にお話しをお聞きしました。

2020.10.01


溝口病院 外科の特徴を教えてください。


当教室は、初代教授の山川達郎先生(現 名誉教授)が、日本で初めて腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った教室です。低侵襲手術発祥の地として発展し、腹腔鏡、胸腔鏡、ロボット手術を用いた低侵襲手術を積極的に行っています。消化器外科領域には上部、下部ともに日本内視鏡外科学会技術認定医、呼吸器外科領域には日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医がおりますので、患者さんに安全で質の高い治療を提供するとともに、若手医師への指導体制も充実した環境となっています。 そして、他科との垣根が低く連携がしやすい点も当院の特徴です。とても進行している癌の場合、他科との合同手術となることも少なくありません。また、麻酔科との連携も手術の安全性を高めるために非常に重要になります。当院は他科へのコンサルもしやすく、どの科も快く対応してくれるので外科としては非常に心強く感じています。



低侵襲手術を行う為の設備についてはいかがでしょうか?


そうですね。当院には腹腔鏡・胸腔鏡の手術に関するほぼ全ての機器、道具が揃っていますから、様々な手術を経験できます。当院はダヴィンチの最新機種「Xi」を導入していますが、以前の機種と比較すると操作性・安全性が向上し、手術時間の短縮も実現しました。低侵襲手術はハード面の進化も著しく、医療機器の進化と共に我々外科医も常に進化していく必要があります。



指導体制やキャリア形成についてお聞かせください。


現在は上部消化管、下部消化管、肝胆膵外科、呼吸器・乳腺の4グループに分かれて診療を行っています。若手の先生方、特に専門医の取得を目指している先生方には、幅広い症例の経験が必要になりますので、各グループを3ヵ月ずつ、1年かけて回っていただき、バランスよく学べるよう配慮しています。また、キャリア形成のためにも臨床研究を推奨しており、臨床だけでなく研究の面でも手厚くバックアップしていきます。 専門医取得後のキャリアは、先生方一人ひとりの目標や希望に合わせて、フレキシブルに次のステップを考えていきます。当科には各分野の専門医・指導医が揃っており、若手医師に限らず中堅医師のキャリアアップの場所としても活用いただけると思います。外科医のキャリアは十人十色で一人ひとり違うものです。プライベートや家庭も大切にしながら、外科医としても充実した日々を過ごしてほしいと思っています。外科医として最高の技術を身につけて患者さんに還元すること、そして医局のメンバーが幸せになることが私の最大の目標であり、その実現のために必要な協力は惜しみません。



小林教授、ありがとうございました。


当院の外科は消化器・一般外科、呼吸器外科、乳腺外科の三領域の外科で構成されます。それぞれの領域に専門医を配置し、各領域の良性および悪性疾患の治療に当たっています。当科には日本で最初の内視鏡手術(内視鏡下胆嚢摘出術)が施行された施設としての伝統があり、各領域の外科手術に積極的に内視鏡手術を導入しているという特徴があります。胆石、ヘルニア、気胸などの良性疾患に限らず、胃癌、大腸癌、肺癌などの悪性疾患にも適応を広げ、短期的・長期的に好成績を得ています。また悪性疾患の術前後に補助療法(抗癌化学療法、分子標的治療、放射線治療、内分泌療法など)が必要な場合には、担当医が責任を持って施行させていただきます。これにより診断から治療の完結まで一貫した医療を提供させていただけると考えています。 『地域に根ざした高度で良質な医療を実践する』という当院の理念に基づき、スタッフが一丸となって最先端の知識・技術を導入して外科領域の診療を行い、地域医療に貢献できるように努めております。




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