経営者になるということは、労働者から「給料をもらう側」から経営者「給料を支払う側」へと立場が変わるだけでなく、責任の範囲も大きく広がります。勤務医であれば、主に患者さん対応や部下、コメディカルとの関わりに集中し、関わる部分だけに責任を持てばよかったでしょう。しかし経営者としては、ご自身が経営するクリニックに関わるすべての内部・外部関係者への責任を負う立場となります。
また、経営・人事労務、法律や制度など、これまで勤務医時代に触れることのなかった分野にも深く関わり、先輩経営者たちと肩を並べていく必要があります。幸いにも、コンサルタントや士業の専門家、さらにはメーカーなど、経営者を支援するパートナーが存在しますが、彼らの専門的な知見をどのように取り入れ、効果的に活用するかは経営者次第です。
したがって、勤務医時代の「目の前の仕事」だけに集中する働き方から、外部の専門家の協力を得ながら、全体を見渡しながらクリニック経営を行う姿勢が求められます。