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インタビュー:看護師の資格をもちながら、他の職種へキャリアチェンジされたお二人

VUCA時代、先行きが不透明な将来の予測が困難な時代に突入しています。

コロナ禍で、想像もできない未曽有な経験をした私たちは、自分が何を大切にしていきたいのか?そんなことを考える様になりました。


今回は、看護師資格をもちながらも、看護師以外のお仕事にキャリアチェンジされた、女性お二人へのインタビューです。

「資格に沿った職種以外の転職は難しそう」そう考えていらっしゃる方は、多いかもしれません。しかし現在、キャリアの多様化は一般的になりつつあり、特定の職種についての資格を有していても、他の職種に目を向け、自分から動き出せば、そこでキャリアを作り上げることも可能です。


それを実現されたお二人にお話をお伺いしたので、是非ご覧ください。


インタビュアー:人材コーディネート部 梅澤

2023.09.28



Q1 看護師を目指した理由を教えてください。


(加藤さん)父が看護師をしていた影響が大きかったと思います。幼い頃、父と仕事場の休憩室によく一緒に行き、周りの看護師さんと一緒に遊んだり話したりしていました。そんなこともあってか、高校3年、将来について考えた時、漠然と看護師という仕事が頭に浮かびました。私自身、もともと人と関わることが好きだったことと、父が楽しそうに仕事をしていたことも、看護師を目指す決め手だったと思います。


(佐藤さん)私は、幼い頃に入院経験があったため、医療従事者の方々を身近に感じていました。また漠然と、誰かの役に立ちたいという気持ちがあり、看護師という仕事は自分に合っているのでは、とも思っていました。将来について考えるようになった頃、両親から「資格のある仕事についてほしい」と希望されていたこともあって、看護師を目指しました。



Q2 実際に看護師になっていかがでしたか。


(加藤さん)日々楽しく働いており、好きな仕事だと感じていました。看護師生活の3年間は、全て大学病院のGICU配属だったのですが、目の前の患者さんの命のために、一生懸命仕事をすることが、私のやり甲斐でした。(ICUの)患者さんは話ができる状況ではないため、患者さんのご家族とコミュニケーションをとって寄り添うことも多く、そのことも私にとってはやり甲斐になっていました。


(佐藤さん)どちらかというと、大変に感じる部分が多かったと思います。1年目は大学病院の勤務で、配属先は消化器内科と形成外科の混合病棟でした。忙しく殺伐とした雰囲気で働く先輩方に対し、疑問点を多々質問することに、かなり苦労していました。看護師2年目の頃からは新型コロナの流行が始まり、私はコロナ病棟配属となりました。未知のウイルスを前に、自分も罹患するかもしれないという恐怖と、患者さんにしっかり対応しなくてはという責任感から、心身ともに疲労が多かったと思います。



Q3 自分のターニングポイントになった出来事は?


(加藤さん)父以外の家族や高校時代の友達と仕事の話をする中で、今のままでは(看護師として)専門性は高い仕事ではあるが、(病院という世界でしか知らないこともあり)視野の狭さ、一般常識といわれることが欠如しているかも?もしかしたら社会性の無さがあるのかも?と感じたため、病院の外で働いてみたくなったのかもしれません。

そして、ちょうどその時期に、治療が難しい癲癇の赤ちゃんを、仕事で受け持つことになりました。自分の無力さを感じて、治験や新薬開発という仕事に興味をもったことを覚えています。


(佐藤さん)新型コロナの流行が始まって、コロナ病棟配属だった私は、防護服を着て、限られた回数病室へ入って処置をする、という日々を送っていました。限られた回数、限られた時間、患者さんの身体に直接触れない状態というのは、私の目指していた看護師像と異なり、歯がゆいと感じる部分が多かったです。今の環境では、患者さんとゆっくりコミュニケーションをとりながら看護する、ということができないと感じたため、地域のクリニックに転職することを考えました。




Q4 現在の職に至るまで


(加藤さん)治験や新薬開発に関わりたくて、治験コーディネーターに転職しましたが、マニュアル通りに進めていく部分が大半で、窮屈さを感じるようになりました。私は仕事において、自分で考えて効率よく進める、という部分に楽しさを感じるタイプのようで、決められた通りに進める治験コーディネーターの仕事は、性に合わなかったのかもしれません。


ただ、「会社員」という働き方はとても楽しく感じていたため、看護師に戻る選択肢はなく、今後のキャリアプランを考えたときに、自分の市場価値を上げるには、まず営業という仕事で得られるスキルを身につけたいと感じました。

全く未経験の内容では難しいと考え、看護師の経験の活かせる、電子カルテの営業として、現在の会社に転職しました。現在は同じ会社で、クリニックのIT化サービスについて、営業・マーケティングを担当しています。


(佐藤さん)

クリニックでは、患者さんとゆっくりと向き合える時間が増えたので、病棟看護師という働き方より自分には合っていたと思います。ただ、看護師の労働環境については、ずっと問題を感じていました。私は、看護師という仕事自体はとても好きでしたし、続けたいという思いもすごく強かったのですが、労働環境次第で働きやすさが左右されることや、離職率が高い現状を改善する意識が感じられないことを疑問に思っていました。そのうちに、「医療従事者の働きやすさに関係する仕事がしたい」という想いが強くなり、クリニックのIT化サービスの営業職に転職しました。目利き医ノ助での提案は、間接的ではありますが、院内の業務効率化を推進することで、医療従事者の働きやすさに貢献できると考えています。



Q5 現在の仕事と、今後について


(加藤さん)日々取り組む内容が変化していき、考える自由度が高く、楽しく仕事させて頂いています。また、担当しているクリニックIT化サービスでは、様々なメーカーの製品を扱っているため、お客様に本当にマッチしたご提案ができ、お役に立てている実感があります。これからも、お客様のニーズを一番に考えて、IT化の手助けをしていきたいです。


(佐藤さん)自分の提案した製品で、お客様の業務を効率化でき、お礼の言葉を頂けた時は、とてもやり甲斐を感じます。もともと、「誰かの役に立ちたい」ということが、私の働くモチベーションでもあったので、そういった点では、看護師の仕事に通じる部分があると思います。お客様ごとに、的確な製品の提案ができるよう、それぞれの製品についての理解を更に深めたいと思っています。



Q6 看護師を続けることを悩む人へ一言


(加藤さん)資格を取得したことを考えると、看護師を辞めるのはもったいないと思われるかもしれません。ただ私の場合、看護師以外にやりたいと強く思う仕事があったので、後悔はしていません。一方で、もし辞めたい理由が人間関係だったとしたら、職場を変えても同じ悩みを抱えていた可能性は高いです。もし、看護師を辞めようか悩んでいる方がいたら、ご自身が何を理由に辞めたいと思うのか、それをしっかり見極めることが大切だと思います。


(佐藤さん)看護師という資格があると、大学病院やクリニックを辞めたとしても、脱毛サロンや老健施設など、看護師として働く方法を考える人が多い印象です。ですが、資格にこだわらず、経験や知識を活かして一般企業で働くという選択肢もあります。決して看護師を辞めることを勧めているわけではなく、看護師以外の働き方もあると頭に入れておくことで選択肢が広がる、とお伝えしたいです。



(エージェントから)今回お話をお伺いしたお二人とも、医療へ貢献したい気持ちが根底にあり、それが、看護師以外の形に変化していったのだと感じました。看護師以外にも、医療に貢献する形は様々であり、現在はお二人とも、以前とは異なる形で医療従事者の方々の手助けをされています。もう1つ印象的だったのは、お二人ともただ「辞めたい」という気持ちだけではなく、「自分がどういう仕事がしたいのか」というイメージをもって、転職活動されていたことです。自分をじっくり見つめ直し、どのような働き方をしたいのか、何を目的に働きたいのか、それを明確にすることで、お二人のように、新しい職場でも充実感をもってお仕事できるのではないかと思います。

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