柏の葉ブレストクリニック 森島 勇先生にお話しをお聞きしました。
2023.06.01
開業に至るまで
(安岡)ご開業、おめでとうございます。
弊社では、先生のキャリアという長い視点で、ご開業の支援をさせて頂いておりますが、今回のご開業に至るまで、どのようなお気持ちの動きがあったのか、教えて頂けますか。
(森島先生)はい、開業した時点で58歳ですので、筑波メディカルセンター病院で定年まで、というのもありだとは思っていました。
ただ、病院で勤務していた時に常々感じていたことですが、病院では既に診断がついた患者さんを診る、という受け身のスタイルになっている事にどこか疑問がありました。
そもそも、病院に診察に来ない人達の中には、「乳腺に心配事があるけれども、専門の医者がいる病院が探せていない」「乳腺に心配があるけれども、敷居が高くて相談してよいのかわからない」などの、隠れた患者さんがいるのではないかと思っていました。
そういう人たちを手助けできるのは、専門的なクリニックではないだろうか、と思ったのが、開業の一番の理由です。
(安岡)病院に来られない人たちにとって、もっと身近な専門クリニックを作りたいという想いがあったのですね。
(森島先生)はい、そうです。
(安岡)実際、治療や診断という点で、病院ではできないけれども、クリニックだからこそできると思われたことはありますか。
(森島先生)クリニックでは、治療はむしろ制限されてしまいますが、診断については、病院に比べて時間をかけずに診断できると思います。
特に、柏の葉ブレストクリニックでは、マンモグラフィは、富士フィルム社製の「Amulet Innovality」を導入していて、「マンモグラフィ撮影認定技師A認定」を取得している女性の診療放射線技師が担当する為、かなり高い精度でしかも時間をかけずに診断することができます。
また、エコーについても富士フィルム社製の「ARIETTA 850 DeepInsight」を導入していますので、こちらも高い精度での診断が出来るかと思います。
(安岡)なるほど、まず診断が必要な人に対して、敷居を下げながら、精度を上げるという工夫をされているという事ですね。
(森島先生)はい、明らかに病変があり、治療が必要な人に対しては、治療に結びつけるまでの時間を短くできますし、病変がはっきりしているわけではないけれども病気の心配がある、という人に対しては、診断して状態を伝えてあげられます。
このように、専門クリニックでは、両方のタイプの人たちのニーズを満たせると思っています。
(安岡)実際それが、今回の開業のコンセプトに繋がるということでしょうか。早めの診断を、という点が、ロゴマークに込められた想いですよね。
ロゴマークについて
ロゴマークは、乳がん啓発のシンボルであるピンクリボンと花言葉が「夢かなう」という青い薔薇(ブルーローズ)を組み合わせたデザインとなっています。「乳がんで悩み苦しむ人がいなくなる夢がかなうように」との思いを込めています。
(森島先生)そうですね。
それと、クリニックの良さは1人1人の患者さんに、よりきめ細やかに対応できる、という点ですね。
(安岡)なるほど、そうですよね。
実際に開業支援を受けて
(安岡)少し話は変わりますが、弊社の開業支援では、先生と並走するということ、また、行政手続きや医療機器について、先手を売って立ち回ることを意識しております。その辺りは、実際に支援を受けられて、どうお感じになられましたか。
(森島先生)そうですね、スケジュール感も含め、大船に乗った感じでした。ただ、開業2-3カ月前に関しては、とても忙しかったです。
(安岡)そうですか、有難うございます。
開業までの2-3カ月の中で、一番忙しかったと感じたのは、どういった部分でしょうか。
(森島先生)賃貸の契約が終わり、スタッフが決まったあたりまでは時間に余裕がありましたが、社労士の先生との打ち合わせや、什器の検討をした辺りから、あわただしく感じました。
どうしても、いろいろなことが決まってからではないと進められない部分でありましたし、時間を要することが重なってきたのが理由だと思います。
(安岡)そうですね、その部分が、一番業務が重なってきてしまうところですね。
(森島先生)はい、決めなくてはならないこと、やらなくてはいけないことが、最後の方に重なってしまいました。
(安岡)弊社では、ご開業直前でのやるべき業務が重なってしまうことについては、予想していた部分ではありましたし、ゴールデンウイークが重なってしまったので、内覧会の日程を、ご開業日の前ではなく、後に設定致しました。
といいますのも、スタッフの研修など、開業後半で忙しい最中に、患者さんが多く来てしまうと、院内が慌ただしくなってしまう可能性が高いからです。
内覧会実施のタイミングを開業の後にした、という選択は、良かったと思われますか。
(森島先生)そうですね、内覧会を開業日の前にして、慣れない中であわただしくスタートにするよりも、開業してから内覧会を実施した方が、事前にどういったことが困るのかなど、知ることができたので、良かったのかなと思います。
(安岡)内覧会は、開業の前日や一週間前に実施することが多いのですが、今回、開業より後に実施したことによって、スタッフの患者さん対応への慣れが出ていたと思います。
(森島先生)そうですね、そういった部分は大きかったと思います。
(安岡)全部が全部、後が良いというわけではありませんが、今回先生とお話を進めていく中で、内覧会を開業の後にするというのは、良い点も多いと思いました。
(森島先生)そうですね、ただ開業1週間後がちょうど学会と重なってしまった関係で2週後になったので、もう1週間早くても良いかなとは思いましたが。
(安岡)学会が入ってしまいましたからね。私もあと1週間早くても良いとは思いました。
(安岡)内覧会が終わって、そこからがスタート、という感覚でしたでしょうか。
(森島先生)そうですね、内覧会でのスタッフの頑張りも見ることができましたし、スタッフとしても来場者へのご案内を通じてクリニックへの理解が深まったのではないかと思っています。自分としても、気持ちとして、ひとつの区切りになりました。
(安岡)内覧会で、お知り合いの先生や先輩に、クリニックをご紹介できたから、ということもあるのでしょうか。
(森島先生)はい、それもありますね。
また、実際に受診された患者さんを見てみると、内覧会の時には予約しなくても、後日に健診受給券をもって来院した人もいて、その方の住所を見るとご近所だったので、内覧会がきっかけで検診受診の行動につながったのもよかったのかなと思いました。
「スタッフ同士の心の壁を取り除く」スタッフ研修
(安岡)弊社の開業支援には、クリニックのスタッフ研修も組み込んでおりますが、そのあたりはいかがでしたでしょうか。
(森島先生)全員がそろった入職初日のその研修で、はじめからスタッフ達が打ち解けられたと感じたので、とても良かったと思います。
(安岡)それは良かったです。
弊社の研修は、接遇研修ではなく、「スタッフ同士の心の壁を取り除く」という目的があります。その方が、クリニックに一体感が出ると考えているからです。
(森島先生)そうですね、その研修で、スタッフ同士が一気に打ち解けていたと思います。
初めて会うスタッフ同士が、通常なら挨拶で終わってしまうところ、お互いの趣味や家族の話もできて、打ち解けるのが早かったと思います。
(安岡)そう言って頂けて安心しました。
スタッフ同士の関係性については、悩まれている先生が多いので、初期の段階でスタッフさん同士が打ち解けられたのは良かったです。
開業支援全体を通して良かった点
(安岡)では、弊社の開業支援全体を通して、良かった点など教えて頂けますでしょうか。
(森島先生)そうですね、どんなことでも聞きやすく、的確に答えてもらえたことは、大きかったと思います。
(安岡)それは、弊社だけでなく、先生の開業に携わった業者の方々も含まれますか。
(森島先生)はい、まずこんなにたくさんの方が、開業に関わっていることを知りました。
また、それぞれの方がプロフェッショナルで、感謝しかありません。
(安岡)弊社としても、全体の流れをみながら、必要に応じた段階で、クリニック開業に長けている方々を選ばせて頂いている認識はあります。
そうでないと、開業準備の後半、どうしても複数の業務が被って忙しくなってしまう時期に、業務が進まなくなる可能性があるからです。
クリニックのホームページについて
(安岡)先生のクリニックのホームページも、弊社の方で制作させて頂きましたが、そちらについてのご感想も頂けますでしょうか。
(森島先生)とてもよく練って作ってくださったと思います。
以前の職場の、ホームページに詳しい看護師さん、保健師さんにも見て頂いたのですが、よくできていると褒めてもらえました。
(安岡)有難うございます。
弊社がホームページ制作で気を付けているのは、ご開業にあたっての、先生方のお忙しさを念頭において進めることです。
本来であれば、ホームページ制作は、原稿を頂いてから、という流れになりますが、その場合、先生に追加で多くの時間を頂くことになってしまいます。
そこで、先生からお伺いした話を、我々の方で、言葉やデザインとしてホームページに落とし込む、といった形を取らせて頂いております。
先生にそのように褒めて頂けて、弊社も制作させて頂いた甲斐があります。
最後に
(安岡)最後になりますが、ご開業を考えている先生方、キャリアを考えていらっしゃる先生方に向けて、アドバイスを頂けますでしょうか。
(森島先生)良いコンサルタントの方にお願いするのが一番だと思います。
開業までの準備は、一人では到底難しいと感じました。
もしよければ、DEPOCさんを紹介させて頂きたいと思っています。
(安岡)ありがとうございます!
引き続き、お困りのことなどございましたら、いつでもご連絡頂ければと思います。
先生、本日はお話頂き、誠に有難うございました。